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事務所名 | 税理士法人カインズ |
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所長名 | 北秋 勝己 |
所在地 | 〒561-0881 大阪府豊中市中桜塚4-9-38 ユタカマンション1階 |
電話番号 | 06-6856-0424 |
FAX番号 | 06-6856-2087 |
業務地域 | 大阪府全域(主に豊中市・池田市・箕面市・吹田市など)兵庫県南部(主に川西市・伊丹市・宝塚市など) |
業務内容 | ・資産譲渡の相談、申告 ・贈与の相談、申告 ・相続の事前対策 ・相続申告書の作成 ・事業承継対策 ・創業・独立の支援 ・税務・会計に関する業務 ・保険指導 |
税理士法人カインズは TKC全国会会員です |
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。 |
近畿税理士会
国土交通省では、住宅地について、住宅取得支援施策等による効果もあり、住宅需要は回復して、地価は上昇に転じ、都市中心部の希少性が高い住宅地や交通利便性等に優れた住宅地では上昇が継続しており、生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化などにより、その周辺部にも上昇範囲が拡大しているなどの特徴を示しております。
商業地については、都心近郊部において、景況感の改善により、店舗やマンション用地に対する需要が高まり、上昇に転じた地点が多く見られ、駅徒歩圏内の繁華性のある商業地や地方圏の路線商業地など、日常生活に必要な店舗等の需要を対象とする地域では上昇地点が増加しているが、国内外の来訪客が回復していない地域や飲食店舗等が集積する地域では、下落が継続している地域があるとしております。
今年も7月には、国税庁から相続税・贈与税を計算する際の土地の評価額である路線価が公表されますが、地価公示価格は、売買実例価額や不動産鑑定士等による鑑定評価額等とともに、路線価を算定する際の基となるため、2022年分路線価への地価公示価格上昇の影響が注目されております。今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和4年4月8日現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
これまでの未成年者控除は「(20歳-相続・遺贈で財産を取得した時の満年齢)×10万円」で計算していましたが、2022年4月1日以後は「(18歳-相続・遺贈で財産を取得した時の満年齢)×10万円」で計算されます。
例えば、相続時に16歳の相続人がいた場合、2022年3月31日までは40万円((20歳-16歳)×10万円)でしたが、2022年4月からは20万円((18歳-16歳)×10万円)となり、相続税において20万円分の増税となります。
また、一般的な暦年贈与では、20歳以上の子や孫が父母又は祖父母(直系尊属)から贈与を受けた場合には、贈与金額によっては特例税率が設けられております。例えば、暦年贈与では、110万円の基礎控除後の贈与の金額が300万円超400万円以下の場合、特例税率では15%、それ以外の一般税率では20%の課税となります。2022年4月1日以後は、この受贈者の年齢要件が18歳以上となります。さらに、原則60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の相続時精算課税制度の受贈者の年齢要件も、2022年4月1日以後は、18歳以上となります。
そのほか、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合や、直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の受贈者の年齢、個人版事業承継税制や法人版事業承継税制の後継者の年齢要件なども、2022年4月1日以後は18歳以上となりますので、該当されます方は、ご確認ください。
(注意)上記の記載内容は、令和4年4月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
2018年12月31日時点で日本の富裕層が海外に持つ資産の総額は約3.9兆円でした。国税庁がまとめた「国外財産調書」のデータで明らかになったものです。同調書の提出件数は年々増加しているものの、財産を持っているにもかかわらず調書を出していない人も相当いるとみられ、昨年には京都の家具輸入販売会社の経営者が調書の不提出を理由に初めて摘発されています。
国外財産調書は、富裕層の持つ海外資産の把握と適正な課税を目的として、合計5千万円超の資産を海外に有している人に提出が義務付けられています。国税庁が発表した2018年分の提出状況によると、調書の提出件数は9961件で、総財産額は3兆8965億円でした。件数で前年より410件、価額で2303億円増加しています。同制度は13年にスタートし、15年1月から正当な理由のない未提出、虚偽記載に対する罰則規定を導入。提出件数は制度開始以来、微増傾向を続けています。
国税局の管轄ごとに見ると、東京が6413件で全体の64.4%を占めています。以下、大阪1405件、名古屋719件と続きました。また財産額では、東京が2兆8458億円で全体の73.0%を占めました。富裕層の持つ資産の約4分の3が東京に集中している現状が浮き彫りとなりましたが、大阪は前年から24%増の5282億円と、伸び率では東京をしのいでいます。名古屋は1906億円でした。
財産の構成比では有価証券が全体の54.2%と過半数を占め、以下、預貯金、建物、貸付金、土地の順で割合が高くなっています。
<情報提供:エヌピー通信社>
◆夫婦間での生活費のやり取りと税金
贈与税の非課税規定において、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものは非課税とする」と定められています。
夫婦間での生活費のやり取りは、当たり前に税金など意識せずに行っております。
◆不動産や多額の資金の移動の原則と特例
扶養義務を果たすためとはいえ、生活費はその都度負担が原則で、多額の金銭を子供名義の預金に一括で振り込むとかの現金の移動は、課税贈与行為と通達されています。生活用不動産の共有化も、非課税の範囲を超える贈与行為となります。
とはいえ、世の中の変化に対応して税制も、居住用不動産又はその取得資金の配偶者間贈与、教育資金、結婚・子育て資金、住宅取得資金の直系尊属からの一括贈与、を可能にするような特例措置が講じられてきています。
◆老人ホーム入居金は不動産的で一括だが
老齢化社会になり、老人ホームへ入居する際の入居金の一時払いを扶養義務者が負担する、という場合はどうでしょうか。
終身居住権を確保するためなので、性格は不動産の取得性を帯び、月々償却費消されていく前払金的性格を有し、元本の提供に近いような性格を有するものの、通常の生活を維持するための生活保持義務の履行でもあり、贈与税課税は憚られそうです。
老人ホーム入居資金提供扶養義務者の死亡時に、一時払い入居金の未償却部分が算定し得る、としてなされた相続税の更正処分は、審判所の裁決で課税否認とされている事例があります。
◆課税とされた事例もあるが
ネットで検索しただけで、有料老人ホームへの入居一時金が数億円というものの存在も確認されます。
老人ホーム入居一時金が1.3億円という事例では、3年内贈与に該当するとして、贈与課税されて、最高裁まで争っていますが、納税者敗訴となっています。
生活維持費は各人各様なので、単純に金額水準だけで、可否判定はしにくいし、入居一時金支払時の贈与というのも担税力や課税実務の実態にそぐわないし、資金支払者死亡時の未償却金の認定も計算上の数字に過ぎず、小規模宅地特例や居住不動産贈与の配偶者非課税特例とのバランスも考慮されるべき、と思われます。
マイナンバー制度はプライバシー権を侵害し違憲だとして納税者20人がマイナンバーの利用差し止めなどを求めた裁判で、名古屋地裁はこのほど、原告の訴えを棄却しました。
訴えたのは岐阜、愛知、三重の納税者らで、「本人の同意を得ない個人情報の収集や利用は憲法13条が保障するプライバシー権を侵害する」と主張していました。また制度開始から番号の漏えいもたびたび起き、安全対策も不十分と指摘。それに対し国は、「漏えいは人為的ミスによるもので、制度上の欠陥が原因ではない」と反論していました。
裁判長は、制度に法制上やシステムの不備はないとした上で、「正当な行政目的の範囲を超えて個人情報が利用される危険があるとはいえず、原告らの権利や利益を侵害するとはいえない」と述べ、原告の訴えを退けました。
同様の訴えは全国8地裁で起こされていて、今回の判決は同じく訴えを退けた横浜地裁に続き2例目となります。
マイナンバー制度は「税・社会保障・災害対策」の3分野に限定して個人と番号を紐付けることで行政と国民のそれぞれにメリットがあるとして、2016年に開始しました。税務申告書への記載義務化やNISA口座との番号紐付けなどが行われる一方で、納税者の利便性向上や災害対策に活用されているとはまだ言えないのが実情となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>
マイナンバーの預金口座へのひも付けについて、高市早苗総務相が義務化に前向きな姿勢を示しています。1月中旬の閣議後の会見で「財務省、金融庁において義務化の実現に向けた検討をいただけるようお願いした」と明かし、災害対策などに活かせる意義を強調しました。
高市氏は今年を「マイナンバーカードの普及・利活用にとって極めて重要な年になる」と位置付け、「来年3月に、マイナンバーを健康保険証として使えるようにするという大きな目標がある」と述べ、カードと番号制度の普及に強い意欲を示しています。
その一つが、現在は任意となっている預金口座へのマイナンバーのひも付けの義務化です。高市氏は「財務省、金融庁において実現に向けた検討をいただけるよう、お願いいたしました」と述べ、「相続や災害発生時に預金の引き出しをすることについて国民の皆様の負担軽減ができる」と意義を説明しました。さらに「私自身、親が他界した時に、一体どこに預金口座があるのかさっぱり分からず、通帳を探し出すのにも一苦労した」と自身の経験を語り、「津波の被害を受けられた方々が通帳も何も流されてしまって、口座の所在が分からないといったお声もうかがっていた」として、義務化によって口座の所在が明確になるメリットを挙げました。
マイナンバーカードについて政府は、「カードの普及に向けて政府システムを構築したこともある。国民のカード利用が進まないと、国民の利便性向上や経済の生産性向上が進まない」と菅義偉官房長官が述べるなど、普及拡大に並々ならぬ意欲を見せていますが、現実は昨年11月時点で交付率14.3%と伸び悩んでいる状況です。
<情報提供:エヌピー通信社>
富裕層が海外で所有している資産について、政府・与党は課税逃れ対策を強化する方針を決めました。銀行口座の預金の入出金や不動産の賃貸借について、取引記録を保管するよう要求。今のように資産残高だけでなく、預金に伴う利子や不動産の賃料、有価証券の配当や売却益など海外資産から生じた所得も把握しやすくします。12月にまとめる与党の税制改正大綱に盛り込み、2020年度の税制改正に反映する見通し。
現在の国外財産調書制度は、海外に合わせて5千万円を超える資産がある納税者を対象に、海外資産をどれくらい保有しているか毎年まとめて税務署に提出するよう義務づけています。新たな仕組みは、同じように計5千万円超の海外資産を持つ居住者を対象に、資産の取引実態が分かる入出金記録や帳簿を保管するよう促す内容になりそうです。
あくまで義務化はしませんが、国税当局の税務調査で申告漏れが発覚した場合に取引記録を提出すれば追徴課税の納税額が抑えられるため、国税庁は適切な申告につながりやすくなるとみています。約100の国と地域で昨年、金融機関にある外国人や外国企業の口座情報を交換する「CRS(共通報告基準)」が導入されており、新制度も活用して国際的な課税逃れを防ぎます。
海外資産の保有状況を調書で報告する納税者は年々増え続けています。国税庁によると、17年7月からの1年間では9551件、総額3兆6662億円分に上りました。しかし実際は調書を提出しなかったり、運用に伴う所得を申告しなかったりするケースが多いとみられています。15年には、近畿地方に在住していた韓国の大手銀行の株主が配当や譲渡益を日本で申告せず、計15億円の申告漏れを指摘されたこともありました。
<情報提供:エヌピー通信社>
来年の米大統領選に向けた民主党有力候補者の一人、エリザベス・ウォーレン上院議員が提唱する「富裕税」構想が注目を集めています。日本でも公平性の観点から金融所得への税率引き上げを求める声が上がっており、大統領選の動向次第では、日本版「富裕税」の議論が始まる可能性があります。
ウォーレン氏は、5千万ドル(約54億円)超の資産を持つ超富裕層を対象に、株式や不動産など全ての保有資産に応じて課税する構想を掲げ、10年間で3兆ドルの税収増を見込みます。米国内で進む格差の拡大や「富裕層は適正な税負担をしていない」という不満を背景に、有権者らの支持を得ている状況です。
一方、日本は欧米に比べ超富裕層が少ないこともあり、富裕税の議論は盛り上がっていません。しかし高齢化に伴う社会保障費の膨張により今後の税収増に向けた施策が必須で、所得の再分配や社会保障費の財源確保のために金融所得にかかる税率を引き上げる必要性を指摘する声は根強いのが実情です。
日本の所得税は給料などについて所得が多いほど税率が上がり、最高で45%ですが、株の配当や売却益など金融所得への税率は一律20%に抑えられています。富裕層ほど金融資産を多く保有する傾向にあるため、所得が1億円を超えると所得に占める税負担率が低くなる逆転現象が起きています。
<情報提供:エヌピー通信社>
◆在職老齢年金の見直し案
最近のニュースで働く高齢者の年金を減額する在職老齢年金制度の見直しが行われていることが発表されていました。現在、在職老齢年金は65歳以上の場合年金と賃金を合わせた金額が月収47万円を超えると年金が減額されます。これを62万円程度に引き上げ、年金減額、停止の対象者を減らす方向です。
60歳から64歳の人は月28万円を超えると減額されることになっています。これも基準を62万円に引き上げるか、60代前半の受給開始がなくなる男性2025年、女性2030年に自動的に終了するまで現行のままでいくという案もあります。
◆70歳まで働くことを前提に
年金財政の危機を言いながらなぜ年金増額を言うのでしょうか?
それは働くと年金が減る仕組みが高齢者の就労を抑える可能性があること。厚労省の調査では「年金が減らないように就業時間を調整する」方が65歳から69歳でも4割近くいたことです。政府は70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務とする方針を立てており長寿社会に備えようと考えています。保険料を納める人を増やしたい、年金受給開始を75歳まで先送りできるようにしたい、基礎年金の支払期間を40年から45年にしたいという考えがあります。高齢で働く人が増えれば年金や医療の保険料を納める社会保障の担い手も増えることになります。
◆世代間バランスも課題
一方で制度の廃止や縮小には反対意見もあります。年金財源の厳しさが増す中で給付を増やすことへの疑問や、企業が高齢雇用者の給与を決める際その人の年金受給額を勘案して賃金を決める慣行が一般的であり裁判でも年金をもらいながらの働きは現役時より減額されることに一定の合理性があるという考え方をしています。年金を上げると会社は給与を下げるかもしれません。
65歳以上で厚生年金の支給が停止されている人は現在36万人、受給者の1.4%です。このような高齢者は収入面では恵まれた方といえるでしょう。在職老齢年金の財源もさることながら、現役世代の将来の給付水準が下がってしまう懸念もあります。
どこまで就労促進が実現するのか今後の動向が気になります。
国税庁が公表した2018年分の所得税等確定申告によりますと、確定申告書提出者は2,221万8,000人となりましたが、そのうち還付申告書提出者は2010年分(1,267万3千人)からほぼ微増で推移しており、2018年分は1,305万6,000人と前年分より1.8%増加の1,300万人を突破し、確定申告者全体の58.6%にのぼりました。
還付申告の状況をみてみますと、最多は医療費控除の759万5,000人で前年分から1.2%増加しました。
このうち2017年分からスタートしたセルフメディケーション税制の適用者は2万6,215人となり、前年分(2万5,680人)から535人の微増となりました。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)の購入費用について所得控除を受けることができます。
また、寄附金控除の適用者は、所得控除と税額控除を合計して304万人となりました。このうち、所得控除は273万6,000人が4,235億円を控除しており、前年分(224万1,000人が3,461億円を控除)から大きく伸びました。
この要因としては、過熱する返礼品合戦を背景としたふるさと納税への寄附者の増加によるものとみられておりますが、2019年6月1日から返礼品の見直しが実施されたことによって、駆け込み寄附とその反動が2019年分の寄附額へどのように影響するのか注目されております。
そのほか、雑損控除等の適用者の増加も目立っており、雑損控除等は、昨年1年間に大阪北部地震(6月)、西日本豪雨(7月)、北海道胆振東部地震(9月)など大きな災害が発生したことから、適用者は4万4,000人(前年分2万3,000人)、その控除額は1,138億円と前年分(320億円)の約3.6倍となりました。
また、税額控除が受けられる災害減免法の適用者は約1万人となり、その控除額は11億円となりました。
(注意)
上記の記載内容は、令和元年10月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
◆マンション管理組合とはマンションとは区分所有居住用建物のことです。ですからマンション管理組合とは区分所有居住用建物を管理する組合のことです。一般的には法人格はありませんが、法人格を持たせることもできます。法人格を持たせた場合、公益法人に準じた扱いを受けます。法人格がない場合は、代表者の定めのある人格のない社団となります。専有部分に関しても管理をしますが、共有部分に関する管理が主たる業務です。
◆税務上の取り扱い
法人格を有すれば法人として法人税の対象ですが、法人格のない社団でも法人とみなして法人税の対象となります。
通常は管理費収入のみで収益事業はありませんので税金がかかることもありませんし、申告も不要です。
◆駐車場収入の取り扱い
区分所有者や借家人がマンションの駐車場を有料で利用し、その駐車場料金を管理費や修繕積立金として管理組合が管理している場合は、共済的事業であるとして課税されませんが、問題は外部に貸している場合です。最近、都会では車を所有しない住民も多く、マンションの駐車場に空きができる場合もあり、管理費や修繕積立金に充てるため、外部の人に一般的な駐車場として貸し出しているケースが多々見受けられます。
◆税務当局の見解
このような場合駐車場の収入は、管理組合の収入として法人税を課税するというのが税務当局の基本的な対応です。
国税不服審判所や裁判で争われた事例もありますが、この税務当局の考えが支持されております。
◆素朴な疑問
区分所有建物の共有部分の所有権は区分所有者の持ち分に応じて区分所有者のものです。管理組合は単に管理を委任されているだけで、共有部分を所有しているわけではありません。本来であれば持ち分に応じて区分所有者の収入となると思われます。
もし管理組合の活動がなく直接管理会社が同様な行為を行った場合、はたして管理会社の収入ということになるのでしょうか?
国土交通省が公表した2019年の基準地価によれば、全国の平均地価は前年から0.4%伸び、バブル期以来27年ぶりにプラスに転じた前年からの上昇傾向を維持しました。しかし内容を詳しく見てみると、日本全国の景気が等しく良いとは言えないこともうかがえます。
全国に2万1500ある調査地点のうち、約半数の48%では地価の下落が続いているのが現状で、東京・大阪・名古屋の3大都市圏を除いたエリアは「地方圏」と一まとめにされているものの、その平均を引っ張り上げているのは札幌、仙台、広島、福岡のいわゆる「札仙広福」の中枢都市に他なりません。都道府県ごとの平均をみれば、47都道府県のうちプラスになっているのは住宅地で15都府県、商業地でも19都道府県に過ぎず〝土地バブル〟は限られたごく一部の話で、日本列島の大部分では地価が下がり続けていることになります。
さらに限られた一部の〝土地バブル〟についても、基準地価が示すデータからは、崩壊の兆しとも取れる動きが生まれつつあります。例えば7年連続で全国最高価格を維持し続ける東京都中央区の「銀座2-6-7」は、価格こそ伸び続けているものの、その伸び率は16年には前年比25%だったものが、そこから翌17年には17.9%へ、さらに18年には7.7%へと鈍化しています。そして今回の伸び率は3.1%と急激に鈍り、数年以内に上げ止まる気配を見せています。
さらに基準地価のデータと補完関係にある公示地価のデータも重ね合わせると、よりくっきりと地価動向の変化が見えてきます。両調査で共通する全国の調査地点について、近年の上昇率を見てみると、半年前の公示地価から今回の基準地価で、住宅地が0.8%から0.7%へ、商業地で2.4%から2.3%へ、わずかであるものの縮小していることが分かります。住宅地の上昇率が縮小に転じるのは4年半ぶり、商業地では東日本大震災のあった11年上期以来8年ぶり。これらのデータから予測するに、まさに今回の19年基準地価こそが、地価動向の折り返し地点になる可能性は否定できません。
<情報提供:エヌピー通信社>
◆戸籍法の一部改正が成立、公布へ
令和元年5月24日に戸籍法の一部を改正する法律が成立し、同月31日に公布されました。国民の利便性向上と行政の運営効率化を目的とした今回の改正では、どのようなことが可能になるのでしょうか。
◆戸籍法と戸籍事務の電子化
私たちの親族的身分関係を証明する「戸籍」、この戸籍の作成や手続き等について定めた法律が「戸籍法」です。平成6年の改正によりコンピュータを使用して戸籍事務を取り扱うこととなり、現在では全国1896市区町村のうち1893市区町村でこのコンピュータ・システムが導入されていますが、各市区町村のシステムがネットワーク化されていないため、私たちが戸籍を請求するためには本籍地の市区町村役場で手続きしなければなりません。
たとえば相続手続きで、自分と両親や叔父叔母等親族との身分関係を説明する場合、その親族の各本籍地へ戸籍を請求することになります。本籍地と住所地は別の概念であるため、住所地から遠く離れた場所であることもしばしば。遠隔地であれば郵送で請求することになりますが、郵便の往復期間もあり1通請求するのに数週間を要することもあります。相続手続きの際には、何人もの戸籍を請求しなければなりませんので、とても時間がかかります。
◆本籍地以外でも戸籍の取得が可能に
こうした課題を受け、今回の改正では法務省が一括する戸籍データの管理システムを活用することで、本籍地以外の市区町村役場での戸籍請求が可能になります。また、電子的な戸籍記録事項の証明情報(戸籍電子証明書)の発行も可能になる予定です。
このシステムの具体的な運用開始時期については、公布の日から5年と想定されています。今回の改正により、これまで煩雑で時間のかかっていた戸籍収集の手間が大幅に削減され、相続手続き全体の円滑化にも期待が持てそうです。
本年10月から消費税率引き上げられました。税率引き上げの影響の大きい住宅については、税制上の対策だけではなく、税制以外の対策も取られています。
◆住宅についての税制上の対策措置
(1)住宅ローン控除等の拡充(所得税)
消費税率10%の適用を受ける住宅の取得等については、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に居住の用に供した場合、住宅ローン控除の適用期間が10年間から13年間に延長されます。
(2)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税枠の拡充(贈与税)
直系尊属からの贈与により取得した住宅取得等資金で一定の要件を満たすものについては、非課税限度額までの金額について贈与税の課税価格に算入されません。従来の非課税枠は最大1,200万円でしたが、消費税率10%の適用を受ける住宅については、非課税枠が最大3,000万円まで拡充されています。
◆税制以外の対策措置
(1)すまい給付金の拡充
すまい給付金は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設した制度です。消費税率が8%に引き上げられた平成26年4月にスタートした制度で、最大30万円給付されるものでした。本年10月の消費税率10%への引き上げ後は、最大給付額が50万円まで増額されます。新築・中古、住宅ローンの利用の有無にかかわらず給付が受けられますが、収入(都道府県民税の所得割額)によって給付額が変わる仕組みとなっています。
(2)次世代住宅ポイント制度の創設
次世代住宅ポイント制度とは、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームをした人に対し、さまざまな商品と交換できるポイントを発行する制度です。
住宅の新築(貸家を除く)の場合、1戸あたりに発行されるポイントの上限は35万ポイント、住宅のリフォーム(貸家を含む)の場合、1戸あたりに発行されるポイントの上限は30万ポイントです。
◆遺留分権の性格の原理的変更
従来、遺留分減殺請求された場合、相続財産を分けるよりも、金銭を支払って決着、ということが多かったと思われますが、平成30年7月13日公布、本年7月1日施行の改正民法で、遺留分に関する権利の内容に重要な変更がなされ、遺留分減殺請求は、遺留分侵害額請求と改正され、その請求権の行使により生じる権利は金銭債権であるとされ、金銭支払に限定とされました。
◆原理変更の内容
改正前の遺留分減殺請求権は、原理としては相続財産そのものを取得する権利だったので、物権的請求権と解するのが多数派でした。それが、今次の改正で、金銭的請求権であるとされたわけです。こういう原理の変更が起きたのです。
◆原理からすれば譲渡所得課税
相続財産が不動産だけだったので、遺留分権の行使に対し、金銭ではなく、相続不動産の一部を遺留分権者の名義にすることにして、遺留分問題を解決した、というケースの場合、改正後は、遺留分債務を相続不動産で代物弁済したとの解釈にもなりそうです。そうすると、ここで、譲渡所得課税が起きるのだ、という主張も出そうです。
◆代償分割での代償債権の場合
似たような事例としては、相続財産が不動産一つだけだったので、それを取得した相続人が、他の相続人に対して金銭で代償金を支払う、というような場合があります。
これは、代償分割という相続財産分割の一手法です。物権的請求権を非相続財産である金銭債権に代えるものであるにも拘らず、譲渡所得課税はないものとされていました。代償債権債務は、不動産の相続財産評価レベルに圧縮され、その上で相続税課税がなされるとともに、代償債務は相続不動産取得者の取得費を構成しない、との技巧的処理がなされています。
◆代償分割との相違・類似
代償分割での不動産取得放棄で代償債権(非相続財産)を得ることは物権の債権への代替ですが、改正後の遺留分権の場合での不動産(相続財産)の取得は、債権の物権への代替です。前者には相続財産外の資金が絡んでいるので、譲渡性を吟味するとしたら、こちらの方が強そうです。
似たようなケースで、片や課税なし、片や課税との異なる扱いをすることになるのか、当局の対応が注目されています。
原則、2019年7月1日から相続分野の規定を約40年ぶりに見直す民法改正法が施行されます。
2019年度税制改正において、これを受けた措置が盛り込まれており、相続法改正の柱として創設された、残された配偶者が亡くなるまで今の住居に住み続けられる「配偶者居住権」(2020年4月1日施行)の評価額の算定方法に注目が集まっております。
配偶者居住権の算定方法は、「建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率」となります。
配偶者居住権が設定された建物(以下、居住建物)の所有権は、「建物の時価-配偶者居住権の価額」となります。
配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利は、「土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率」となります。
さらに、居住建物の敷地の所有権等は、「土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額」により評価額を算定します。
上記の「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とします。
「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいいます。
また、相続法改正では舅姑(しゅうとしゅうとめ)など被相続人への無償の療養介護や労務提供を行った場合、相続人でなくても寄与分が認められるよう配慮され、「特別寄与料の請求権」が創設されましたが、この特別寄与料に係る課税も規定されます。
具体的には、
①特別寄与者が支払いを受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、その特別寄与者が、特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税
②上記①の事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、その事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出
③相続人が支払うべき特別寄与料の額は、その相続人に係る相続税の課税価格から控除
④相続税における更正の請求の特則等の対象に上記①の事由を加えることとされます。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和元年7月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
財務省は、2017事務年度(2018年6月までの1年間)において、全国の税関が行った輸入品に対する関税及び内国消費税に係る犯則事件の調査結果を公表しました。
それによりますと、同事務年度に犯則調査に着手した件数は1,456件(前年度1,052件、前年度比約1.4倍)で過去最高となりました。
処分を行った件数も通告808件、告発33件の計841件(同549件、同約1.5倍)で過去最高となりました。
処分した事件に係る脱税額は、総額で約17億2,450万円(前年度比約1.8倍)で、内訳は関税が1億1,180万円(同約1.9倍)、内国消費税が16億1,270万円(同約1.8倍)となりました。
告発件数は33件(同約2.8倍)で、告発分に係る脱税額は、関税が1億309万円(同約2.4倍)、内国消費税が3憶6,250億円(同約2.5倍)の計4億6,560万円(同約2.4倍)となりました。
処分した事件のうち、金地金の密輸事件が720件(前年度比約1.5倍)で、脱税額は総額で約15億円(同約1.7倍)となり、処分件数・脱税額いずれも過去最高となりました。
具体的には、建物(附属設備を含む)又は構築物および所得税法2条1項19号に規定する減価償却資産(機械及び装置、車両及び運搬具、工具、器具及び備品等)をいいます。
一連の改正の背景には、会計検査院によりますと、小規模宅地等の特例を適用した者の中には相続後、短期間で宅地等を譲渡していた者が多数いたことが実態調査により明らかになったことを踏まえ、事業や居住の継続への配慮という政策目的に沿ったものとなっていないとの指摘がありました。
具体的には、会計検査院は2017年11月、相続により取得した土地等の財産を相続税の申告期限の翌日以降3年を経過するまでに譲渡していた2,907人の適用状況を調査した結果、243人が小規模宅地等の特例を適用しており、そのうち相続人が相続税の申告期限から1年以内に譲渡していたものが約6割の163件あり、1ヵ月以内に譲渡していたものが22件ありました。
相続税の特定事業用の小規模宅地等の特例の適用要件が、税制改正において、厳しく見直されておりますので、該当されます方はご注意ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和元年6月10日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
国土交通省は、2019年1月1日時点の地価公示を公表しました。
それによりますと、商業・工業・住宅の全用途(全国)で1.2%のプラス(前年0.7%上昇)と4年連続で上昇し、上昇幅も3年連続で拡大しました。
また、住宅地は0.6%(同0.3%)、商業地は2.8%(同1.9%)上昇しました。
三大都市圏以外の地方圏でも住宅地が1992年以来、27年ぶりに上昇に転じており、地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では全ての用途で上昇が継続し、全国的に地価の回復傾向が広がっていることが明らかになりました。
国土交通省では、地価上昇の背景として、交通利便性等に優れた地域を中心に住宅需要が堅調であることや、オフィス市場の活況、外国人観光客増加による店舗・ホテル需要の高まりなどを要因として挙げております。
住宅地については、雇用・所得環境の改善が続くなか、低金利環境の継続や住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあります。
交通利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調で、住宅地は2年連続の上昇となりました。
商業地については、外国人観光客をはじめとする国内外からの訪問客の増加、インフラ整備や再開発事業等の進展による利便性・繁華性の向上等を背景に、主要都市の中心部などでは、店舗、ホテル等の進出意欲が活発となっております。
このような商業地としての収益性の高まりに加え、金融緩和による良好な資金調達環境も重なり、法人投資家等による不動産取得意欲が強いこともあってか、商業地の地価は総じて堅調に推移し、4年連続の上昇となりました。
今年も7月には、国税庁から相続税や贈与税を計算するときの土地の評価額である路線価が公表されますが、地価公示価格は、売買実例価額や不動産鑑定士等による鑑定評価額等とともに、路線価を算定する際の基となることから、地価公示価格の上昇が7月に公表される2019年分の路線価に影響を及ぼすことがすでに予想されており、今後の動向には注目です。(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、令和元年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
2016年度税制改正において、所有者不明土地の増加とともに、居住用家屋が空き家となってしまうことを防止するため、相続した空き家を一定要件のもとで譲渡した場合には、居住用財産の譲渡所得の特別控除に該当する譲渡とみなして同控除を適用する特例が創設されました。
しかし、同特例は、2019年12月末で期限切れとなってしまうため、2019年度税制改正において、制度の拡充を行った上で、適用期限が4年延長されました。
同特例の適用要件は、
①相続開始直前に被相続人のみが居住していた1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物を除く)及びその敷地で、相続の開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
②譲渡価額が1億円を超えないこと
③譲渡をする家屋・土地は、相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に使われていないことで、居住用財産譲渡の場合の3,000万円の特別控除が適用できます。
特例創設の趣旨が、居住用家屋が空き家となることを防ぐ目的であることから、被相続人が死亡した時点で1人暮らしであった場合に限定され、区分所有建物は除かれるなど、あくまで相続から譲渡まで引き続き空き家でなければならず、これまでの要件は厳格でしたが、今回の改正において、一定の要件を満たせば、被相続人が老人ホーム等に入所していた場合も対象に加えられました。
具体的な要件としては、
①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと
②被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこととしております。
なお、この改正は、2019年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又はその敷地等の譲渡について適用されますので、該当されます方はご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和元年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
◆空き家の譲渡所得3,000万円特別控除
近年増加傾向にある空き家。治安や景観の悪化、災害時の倒壊の恐れなどが社会問題となっています。
この空き家について、税制によって問題を緩和しようというのが「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」です。当初は平成31年12月31日までに売却して、一定の要件に当てはまる場合、となっていましたが、平成31年税制改正によって、期間の延長(4年間)と要件の拡充が行われました。
◆要件と新要素
空き家特別控除を受けるためには、以下の要件に当てはまるものでなければなりません。
・対象となる家屋又は家屋の敷地
(1)昭和56年5月31日以前に建築されたもの
(2)区分所有建物登記がされている建物でないもの
(3)相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいないもの
・特例を受けるための要件
(1)売った人が相続等で家屋や敷地を取得している
(2)その物件を売るか、家屋の取壊しをした後に売ること
(3)相続から取壊し・譲渡までの間に事業等に使用していないこと
(4)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却、等です。
拡充された内容としては被相続人が要介護認定等を受けて、老人ホーム等に入所した時から相続の開始直前まで、その家が他に使われていなかった場合でも、この特別控除の要件適合となります。
◆賃貸でも新しい形式に注目
また、近年は原状回復を貸主が行わず、借主が自由にリフォームする形のDIY型賃貸借と呼ばれる賃貸住宅が注目されています。貸主は比較的古い物件でも改修費用を負担せず貸せる、借主は自分好みの住宅にすることが可能というメリットがあります。
空き家特例の要件に適合した住宅でも、ニーズがあれば賃貸にしたい、だけど初期費用は掛けられないという場合、DIY型賃貸借を検討してみてはいかがでしょうか。
国土交通省が3月に発表した今年1月1日時点の公示地価によると、全国の地価は前年から1.2%上昇し、4年連続の上昇となりました。住宅地ではリーマン・ショック以来の上昇に転じた前年からプラス幅を拡大し、地方圏では全用途でバブル期以来27年ぶりのプラスに転じるなど、近年続く上昇傾向を全国的に維持しました。ただし都市部以外の地方では下落幅の縮小は見られるものの全用途でマイナスが続き、交通に便利で都市部に近いエリアでの地価が上がる一方、下落が続く地点も依然多い状況です。
4年連続の上昇を主導したのは、都市部の商業地の地価上昇です。商業地は前年の1.9%上昇からさらに伸びて全国平均で2.8%上昇。三大都市圏では東京圏で前年比4.7%、大阪圏で6.4%、名古屋圏4.7%と軒並み伸びましたが、さらに札幌、仙台、広島、福岡など地方中枢都市では、前年の7.9%をさらに上回る9.4%の著しい上昇を示しました。海外からの観光客が増加していることを背景に店舗やホテルなどの需要が高まったことに加え、国土交通省によれば金融緩和を背景とした法人投資家などによる不動産取得が地価高騰に拍車をかけているそうです。
住宅地ではリーマン・ショック以来の下落が17年に止まり、18年に0.3%のプラスに転じましたが、今年はさらに上昇幅を広げ0.6%増となりました。全国的にも上昇や下落幅の縮小がみられましたが、地域間には大きな差が出ています。三大都市圏が1.0%上昇、地方中枢都市が4.4%と前年以上に上昇する一方で、それ以外の地方圏は0.2%の下落となりました。高齢化と人口減少が進むなかで、より生活に便利でインフラの整備されている都市部に人が集まる状況がうかがえます。
<情報提供:エヌピー通信社>
国税庁は、2017年分相続税の申告状況を公表しました。
それによりますと、2017年中に亡くなった人(被相続人)は、過去最高でした2016年分(130万7,748人)を2.5%上回る134万397人となりました。
このうち、相続税の課税対象被相続人数は、同5.5%増の11万1,728人にのぼり、課税割合は8.3%となって、過去10年間において最高の課税割合となりました。
ちなみに、前々年の2015年分の課税割合は、8.0%(2014年分は4.4%)でした。
2013年度税制改正において、相続税の課税ベースの拡大と税率構造の見直しが行われました。
具体的には、2015年1月以後の相続等から、相続税の基礎控除額について、改正前の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から、改正後は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げるとともに、最高税率も55%に引き上げました。
この課税強化の影響等もあって、課税割合の大幅な上昇につながっていると思われます。
また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、15兆5,884億円で前年比5.5%増加し、税額も2兆185億円となり、同8.1%増とともに増加しました。
被相続人1人あたりでみてみますと、課税価格が前年比0.1%減の1億3,952万円、税額は同2.4%増の807万円となりました。
また、相続財産額の構成比は、「土地」が36.5%と最多となり、以下、「現金・預貯金等」が31.7%、「有価証券」が15.2%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.2%、「家屋」が5.4%となりました。
前年と比べて「土地」は1.5ポイント減少しましたが、「現金・預貯金等」は0.5ポイント増加しました。
相続税の課税強化がされても、相続財産の課税価格が基礎控除額(「3,000万円+600万円×法定相続人の数」)以内におさまる割合はなお多い模様です。今後の動向にも注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成31年2月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益は、原則として総合課税の雑所得に区分され所得税の課税対象となります。
◆取引区分ごとの所得の計算方法
(1)仮想通貨の売却
保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と取得価額との差額が所得金額となります。
(2)仮想通貨での商品の購入
保有する仮想通貨を商品購入の際の決済に使用した場合、その使用時点での商品価額(消費税込みの金額)と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。
(3)仮想通貨と仮想通貨の交換
保有する仮想通貨を他の仮想通貨を購入する際の決済に使用した場合、その使用時点での他の仮想通貨の時価(購入価額)と保有する仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。
(4)仮想通貨の分裂
仮想通貨の分裂に伴い取得した新たな仮想通貨は、分裂時点において取引相場が存在しておらず、その時点では価値を有していないと考えられます。したがって、新たな仮想通貨を取得した時には課税関係は生じず、実際に売却又は使用した時点で所得が生じることとなります。なお、その取得価額は0円となります。
(5)仮想通貨のマイニング
マイニング(採掘)等により仮想通貨を取得した場合は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いた所得金額が、事業所得又は雑所得の対象となります。
◆法人が仮想通貨を保有する場合
法人が期末において保有する仮想通貨は、会計上、活発な市場が存在する場合は、市場価格に基づく価額をその仮想通貨の貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理します。活発な市場が存在しない場合は、取得価額をもって貸借対照表価額とし、期末における処分見込価額が当該取得価額を下回る場合には、処分見込価額を貸借対照表価額とし、取得価額との差額を当期の損失として計上しますが、税務上は当該損益の額について申告調整で自己否認することになります。
2017年から急拡大した仮想通貨市場は、今後も法整備等の動向に留意が必要です。
民法の改正相続法の施行日を2019年7月とする政令が公布されました。相続制度の大幅な見直しは1980年以来約40年ぶり。従来の相続制度を大きく変える内容が多数盛り込まれ、特に配偶者の権利を拡大するものとなっています。
配偶者に関する大きな変更はふたつで、ひとつは結婚して20年以上の夫婦間で生前贈与もしくは遺贈をした自宅を、相続の際の遺産分割の対象から除外する特例の創設です。また、配偶者が所有権を相続しなくても自宅に住み続けられる「配偶者居住権」が導入されます。この「配偶者居住権」に限っては2020年4月施行です。
改正法では、介護などで貢献した親族の金銭要求制度も導入されます。長男の嫁など法定相続人でない人でも遺産分割の際に一定の金銭を「特別寄与料」として要求できるようになります。また、相続した預貯金のうち、生活費や葬式費用に充てる金銭に限り仮払いを受けられる制度もスタートします。
なお、相続法改正の施行日を定める政令の交付と同日に「遺言書保管法」の施行日を20年7月10日とする政令も公布されました。この制度は法務局が自筆証書遺言の原本を保管し、相続後に遺族の請求を受けて写しを交付するもの。自宅での保管と異なり、紛失や親族による改ざん・隠匿の心配はなくなります。また保管制度を利用すると、遺言書の加除訂正の状態などの内容を家庭裁判所に確認させる手続き(検認)が不要になります。
<情報提供:エヌピー通信社>
国税庁は11月下旬、相続で仮想通貨を取得した時の申告方法を簡素化することを発表しました。これまで仮想通貨の相続税申告については統一された取り扱いが定められていなかったため、相続人が各交換業者のサイトにログインするなどして残高を調べるしかありませんでした。
国税庁が定めた新たな方法では、相続で仮想通貨を得た相続人は、各交換業者に仮想通貨の残高証明書の交付を依頼できるようになります。業者は依頼に基づき、相続開始日における残高証明書や取引明細書を発行し、相続人は各業者から交付された証明書を税理士に渡すことで相続税の申告書を作成するというもの。
また国税庁は同時に、仮想通貨の税務上の取り扱いについてのQ&Aも発表しました。仮想通貨を売却した時や交換した時、仮想通貨で給与を支払った時などの税務処理を解説しています。それによれば、相続で仮想通貨を得た時の評価方法は、市場で取引され、継続的に価格情報が提供されているようなものについては、相続発生時点での市場価格に準じます。
一方、活発な市場が存在せず客観的な交換価値を示すデータがない仮想通貨については、「仮想通貨の内容や性質、取引実態などを勘案し、個別に評価する」としています。
<情報提供:エヌピー通信社>